またも最寄り図書館で見つけました。「ウェスト・サイド・ストーリー」を観た後、弟が「原作の方が好きなんだよね~」などど言っていたのも気になってたし、スピルバーグ版観てそもそも気になってたし。
ストーリーはほぼ原作もリメイクも一緒。「クレイジー・ボーイよクールになれ」の絡みがだいぶ違いますね。原作ではリフ、ベルナルド死後、興奮するメンバーに別のメンバーが説く。リメイク版では、決闘を前に銃を持ち出そうとするリフをトニーがいさめるシーンで使われてましたね。決闘の後、「あれ?あの歌出て来なかったな?」と思ったので印象に残りました。他にもこのようなところがあるのかもしれません。
逆に「マリア」とか「トゥナイト」のシーンは一緒ですね。
ダンスパーティでのジェット団とシャーク団の色の対比・構図の見せ方などはやはりスピルバーグに軍配。ダンスはやや珍奇に見える部分もありましたがダイナミックさ・勢いみたいなものは原作の方により強く感じられました。
いくら運命の出会いだったとしても、決闘で自分の兄を殺してしまった相手と一夜を過ごし、その上兄の恋人の前で堂々とその愛を歌い上げる心情は共感できません。恋の暴走列車を越えてもはやサイコパスの領域ですよ。「マリア様」とか言ってる敬虔な宗教態度どこ行った?「ロミオとジュリエット」の現代版だから仕方ないか。
原作にもユニセックスなシャーク団に入りたいけど相手にされないキャラがいたのだね。’60年代と思うと随分早いキャラ造詣だったように思う。そして、アニタが終盤レイプ?されそうになったシーン(リメイク版ほどはっきりとそうなりそうには描かれていない)でも止めに入らないんだね。
マリア役のナタリー・ウッド、美人さんだね~。当時は歌が吹き替えだったとか。ルックスも役に沿う・ダンスできる・歌うまいの三拍子揃ったキャストを集める今の方がすごいですね。
瓶入りのコカ・コーラを運ぶ通い箱が木製だったことに目が行きました。トニー、栓を栓抜きなしで開けてたね。
リメイク版であった、マリアとトニーが美術館にデートに行くシーンは完全にオリジナルなんですな。運命的な出会いに厚みを持たせたシークエンスかな。
どっちがいいか、ということになると、小生はリメイク版かな…。
先に観た、映画館で観た、スピルバーグ作品ゆえの洗練、といったところですかね。
原作版の演出で印象に残ったのは、2度ほど使われていた、マリアとトニー以外の部分にぼかしが入り、視覚的に2人だけの世界を演出していたところかな。他の作品で見たことないですよね。
まあ、でも、楽しく視聴しました。8.0/10。