なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。肩のこらない書き方をしている結果、肩のこらない読み物になってるかな。あまり強く批判めいたことは書いてないつもりですが、好きなモノ・コト・人を悪く言ってたらゴメンナサイ。個人の感想です。読み飛ばしてください。

【映画】「オッペンハイマー」鑑賞


 先週の日曜日は待ちに待った「オッペンハイマー」鑑賞してきました。なんせムビチケカード入手するくらいの気合の入りぶり(?)。例によってネタバレを含みますのでよろしくお願いします。

 ヒューマンドラマなので本来そこは評価軸ではないのだろうが、映像美がすごいですね。地味に。
 学生だったオッペンハイマーのシークエンスでは随所(特に寝るシーン)で何かの奔流と音が氾濫する。「天才オッペンハイマーが世界をこのように捉えていた」という表現なのであれば教授になった以降もこれ、続けるべきだったのではないのかな。量子力学のアイデアの奔流であって、世に披露できるようになったから出て来ないのだろうか。
 学生が自由に青酸カリを手にできるシチュエーション。危険だ。危なかったなボーア教授(ケネス・ブラナー)(笑)

 序盤はうまくいかなかった留学時代→受講生が1人の量子力学教室開講→徐々に人気に→ドイツが核分裂に成功した!→マンハッタン計画へと移行。

 その間に、ストローズの公聴会オッペンハイマー聴聞会がさしはさまれる。ノーラン作品らしくカラーのシーンとモノクロのシーンがあるのだが、使い分けの意図がちょっと読み取れなかった…

【追記】----------------------------------------------------------------

カラーパート:「核分裂」…オッペンハイマーの半生

モノクロパート:「核融合:…ストローズ中心・戦後

ということのようです。

wired.jp

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 合間に、戦後の赤狩りの対象になる米共産党とのかかわり(入党はしていない)が描かれる。そこでジーン・タトロックと出会い、あっさり一夜を共にするも、マンハッタン計画を一緒にロスアラモスに行って、家庭を持ったのはキティ。略奪愛。更にもう1人(人妻)との関係を描いています。おモテになったのですね…。女性にだらしない人物、欠落した人物だったというところを表わしたかったか。

 それにしても最近の映画は唐突にセックスシーンが出てきて「おっ?」っと驚く。かつて(’00年前くらいまで)の初キスから「ハードすぎん?」と思うキスの応酬→ベッドシーンというフォーマットが懐かしいですね。間がすっ飛ばされてるんで心の準備が追いつきません(笑)。聴聞会のシーンでも、いきなり椅子の上で抱き合うオッペンハイマージーンが挿入されます。意味不明です(所見では)。これらのせいでR-18なのだろうな。いるかなセックスシーン…。結婚してからの情事の後裸で1人掛けソファーに座って(離れて)会話するオッペンハイマージーンのシーンはかなりシュール。

 結局ストローズの私怨で聴聞会が開かれオッペンハイマーは追放され、そのストローズも公聴会で政治生命を絶たれる、という入れ子構造になっているのかな。

 「原爆の父」ともてはやされるも、それがもたらした結果に苦悩する、というほどの苦悩は感じられなかった。苦悩というよりは、「水爆作ったらソ連も水爆作るでしょ!」という軍拡への懸念だったように思う。良心の呵責に苦しんだようには描かれていない。結果的にはオッペンハイマーの懸念は現実のものとなってるわけだがトルーマンには「泣き虫」呼ばわりされてるね。人間でありながらプロメテウスになったオッペンハイマーユダヤ人ゆえに禁断の技術でもナチスの手に渡ることを憂慮したのが原動力か。「科学者は開発するまでで、それをどう使用するかの権限はない」というようなセリフは言い訳がましいが事実。そう言って、自分を慰謝しているか。序盤は「ノーベルもダイナマイト作ったさ」的なことを嘯いていたがね。

 これが日本公開を見送られたとは、ビビりすぎなんだと思う。「広島や長崎に関する描写が少なかった」的批判は、戦勝国で原爆を作った側の国の映画でメジャー作品なんだからこんなものだろうと思う。これはドキュメンタリーではない。というかこれで興行収入を見込むところがすごい。

 見応えはあった。3時間あるとは感じなかった。聴聞会のシーン少し「眠いな」とダレたところが(個人的には)あったけれど。

以下は脈絡のない所感

・キャストが豪華。ケネス・ブラナーはもちろん、ロバート・ダウニー・Jr.は眼鏡をはずしてすぐわかった。マット・デイモンももちろんわかった。トルーマン役のゲイリー・オールドマンもすぐわかった。記者役のラミ・マレックも分かった。ジョシュ・ハートネットはあまり観てこなかったな。局長役のマシュー・モディーンは気づかなかった。老けたなぁ。

アインシュタイン役はもうちょっとなんとかならんかったのか(笑)。レイア姫再現したテクノロジーとかあったやん。

キリアン・マーフィー、教授になって以降の髪型だとダチョウのようですな。キリアンって名前珍しい、って思ったらエムバペ(ムバッペ)と同じじゃんね。ノーラン作品によく出てくるとか「ダンケルク」にいた?そうですか…。「ダークナイトライジング」鑑賞時はよく見てみよう。

オッペンハイマーの愛称はオッピーか。「オッピー!オッピー!オッピー!」って、親しみは湧くけど威厳ないなぁ。

 映画館でかどうかはともかく、もう一回見たい作品ではありますね。8.5/10。TOHOシネマズ梅田にて。

www.oppenheimermovie.jp

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