今日はシネマイレージデイということで「フェイブルマンズ」鑑賞。オスカー獲りましたが「エブエブ」はパスです。いずれ観るかもしれませんが…
まあ、置いといて「フェイブルマンズ」です。あのスピルバーグ監督の自伝的映画ということで、主人公サミュエル・フェイブルマン君の映画との出会い、カメラとの出会い、学園生活、恋、就職…と続きます。観てないけど「アメリカン・グラフィティ」もそうなんじゃなかったっけ?今度観てみよう。
例によってネタバレ含みます。
(天才)コンピュータ技師の父とピアニストの母の子サムは多分に母の血を濃く受けていたよう。母方の祖母の死後現れる大伯父の暗示が象徴的。
優しいけれどどこか人とのコミュニケーションがぎこちない父とエキセントリックなところのある母(ピアニストだから洗い物をしない!紙のテーブルクロスごと捨てる!)。どうしてくっついたんだろ(笑)
父の出世でアリゾナ、カリフォルニアと居を移し、高校ではユダヤ人いじめにあう。「2000歳でもローマ人でもないから(キリストを殺したことを)謝らない」なんてセリフはなかなか気が利いてるけどユダヤ人あるあるなのかな。
そんな中でもガールフレンドはできて、キリスト教徒の彼女✕ユダヤ教徒のサムなかけ合いはなかなか興味ぶかかった。
最初の街ではきょうだいと、アリゾナではボーイスカウト達と撮ってきたが、母と父の友人・ベニーのただならぬ関係に気づいて以降手に取らなかったカメラを大学の卒業生イベントで再び手にし、"名編集"ぶりに会場は沸くが…。"主役"はその扱いに激昂、涙まで流すのは意外な展開。撮る側のサムの心理も含めて複雑で印象的なシーンだったと思います。映画(映像・編集も含めて)というものの持つ光と影に触れる象徴的なシーンでもあるかな。
プロムにおけるこのフィルム上映に先立って、フェイブルマン家では両親の離婚で一家は騒然。そんな中でフィルムの編集を行うシーン、シュールで笑えた。
父と卒業を約束して入った大学に馴染めず、手紙を書きまくった映画会社からも返事がなく途方に暮れる中、唯一返信のあったCBSのスタジオに行き、ジョン・フォード監督に紹介される。フォード監督役、デビッド・リンチだったんですけど!「地平線が真名に映る映画はクソつまらん」ですか。参考になります。作らないからならないけど。
泣かなかったけど泣きたくなる、映画を何百本も観てきて今までなかった感情の揺さぶられ方だった。これもまた、人生の折返し地点を過ぎたアラフィフだから感じることなのかなぁ…
リア(Leah)とアーノルド(Arnold)が実際の母と父の名前なんでしょうな。
スピルバーグ監督作品のタイトルにもなった SUPER8(コダックのその他2種のフイルムも)がエンドロールに出てきてこれまたエモかった。
しっかし、こんな個人的な思い出を基にした話、資金が集まって制作されて全世界に配給・配信されるのねぇ。不思議…。ネット配信ならともかく…。
字幕担当は戸田奈津子さんだった!スピルバーグ作品だからでしょうかねぇ、久しぶりに見かけました。ご健在で何よりです。
9.0/10。TOHOシネマズ梅田アネックスにて。
余談。「一緒にすんなよ」だけど、子供がちっちゃい頃、誕生やらなにやらのビデオをMac上で編集しましたがなかなか時間がかかりました。ノンリニアであれなんだから現像から始まる8ミリではその比ではないですよね。好きでないとできないなぁ。