なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。

【映画】「由宇子の天秤」鑑賞

 今日はミニシアター・シアターセブンにて、「由宇子の天秤」観てきました。あまり邦画を観ない小生、お友達のレコメンドで予備知識ない状態で行ってきました。
 学生の頃によくいた「邦楽?そんなの聴かねぇよ」といって洋楽しか聴かないヤツみたいにスカしているわけではないのですが、テレビドラマも観ない者としてはあまりアンテナがない状態です。たまには気になる作品がないでもないですが上映期間が短いとか上映館が少ないとか費用の問題(笑)とかで縁遠いです。
 少なくとも、「劇場版〇〇」なんてのは死んでも観ないでしょうなぁ。

 さて、映画です。
 主人公・由宇子はドキュメンタリー制作者。「高校教師が教え子と交際し、学校でいかがわしい行為を行っている」という噂が流布し、それを苦に二人とも自殺した事件を追う。女子高生の親のみならず、教師側の母親、姉のインタビューにこぎつけるが「学校とメディアに殺された」という遺族のセリフから”メディア”を抜くよう上層部に指示されたりする。

 実家の学習塾の講師でもある由宇子は新しく入った生徒・メイと距離を縮めていくがそのメイの妊娠が発覚。その相手は…

 ってことで一方では事件の真相を暴こうと局側の意向・遺族(の代理人?)との軋轢を繰り返しながら色々な壁を突破していく。一方ではメイの妊娠を隠蔽すべく、付き合いのある医者に非合法の堕胎薬の調達を依頼したりする。この時の「由宇子の天秤」はゆるぎない。メイの「相手」が真相を話そうとするのを「楽になろうとしているだけ、失うもの・傷つく人が多すぎる」と取り合わない。メイの妊娠が子宮外妊娠の可能性があり、その場合大量出血などの可能性があることを示唆されても、取材した事件のオンエアがある2週間は事を大きくしたくない由宇子。

 そんな由宇子の信念・価値観(天秤)は終盤大きく揺らぐ。教師の遺体の傍にあったという遺書は姉が自作したものだとオンエア近くなって姉本人が白状。塾生の男子からは「メイは誰とでも寝る、売りもやっている、嘘つきだから信じるな」と言われメイを問い詰める。その日メイは交通事故に遭い、病院でメイの父親と一旦別れた由宇子は真相を告げ…。「天秤」が逆に触れた瞬間が劇的でそれだけに唐突に感じた。注力していた番組のオンエアの見込みがなくなったことで、二者択一した結果なのだろうが。

その他所管
・教師の元自宅を撮影しに行って近隣の主婦に水をかけられる由宇子。引っ越しを繰り返してひっそりと暮らす教師の母、離婚し資格を持っている美容師ではなく人間関係が希薄な職場で働く教師の姉。事件(報道)に巻き込まれた家族の運命は過酷だ。
・本当の遺書(と思われるもの)に何が書かれていたのかは明かされていないが、付き合っていたのかね。
・メイが交通事故に遭って、血液検査?で妊娠が発覚しているけど、そういうもんなのか。医療関係者ではないのでちょっとわからず。
・「本当の父親は誰なの?」とメイに問いかけたにもかかわらず、メイの父親にメイの妊娠を伝える時に相手を断定したのは逆の方に重きを置いていた「天秤」の贖罪だったのだろうか。

 2時間半、時間を感じさせない濃密さだった。自ら観に行くことはなかったであろう。そんなに刺さらなかったけど…。小説で行ったら純文学みたいな作品。映像で見るのは慣れていない?海外作品ならそんなこともないか。邦画ではあまり経験がなかった。8.0/10(甘め)

 冒頭のリコーダーの曲が「グリーンスリーブス?でも微妙に違うかな…」って思ってたけどクレジットを見るとグリーンスリーブスだった。あれれ。
 美術監督は「相馬直樹」さんでした(笑)

bitters.co.jp

 

【追記】(2021.11.26)

 お友達の話によると、年頃の女性が搬送された際、「絶対妊娠していない」という確認のために必ず検査するんだそうな。
 確かに、意識のない状態の妊娠した女性が搬送→妊娠に気づかずに処置→処置が原因で流産とか障害 となったら医療事故になってしまうわね。
納得。