なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。

【映画】「テルマ&ルイーズ」鑑賞(家で)

 「テルマ&ルイーズ」。リドリー・スコット。1991年10月公開か。高3でしたね(笑)。当然受験生だったので、確か9月17日に封切られた「ターミネーター2」を翌日(の土曜日に)に観に行って、それを最後に「受験生なので映画は封印!」としました。封印していなくても本作は観に行ったかどうか。大学生になってたら「観ておくか」くらいのハードル間で観に行ってたと思います。当時は月3~4本観てましたので(懐かしの同時上映含む)。

 まあそんなことはいいか。結局公開から30年余、本作と交わることがありませんでした。これ、クレジット見ると1ミリも書いてないけど、脚本はタランティーノが書いてたんじゃなかったっけ?(クレジットではカーリー・クーリ)アカデミー賞でもゴールデン・グローブ賞でも脚本賞取っているから、「原作者」の名前など出したくないのかもだけど。

 さて、本題です。例によってネタバレ含みます。

 抑圧的な夫ダリルと暮らす専業主婦のテルマはウェイトレスをして働く友人ルイーズと週末のドライブ旅行へ出かける。ダリルへは結局告げることなく出発。冒頭、綺麗にものを畳んで最小限の荷物にとどめるルイーズとトランクに雑多に物を投げ込み、荷物もやたらに多いテルマの対比。こんなところにも性格の描写がされていて巧いですね。

 ハメを外したいテルマに付き合って居酒屋(!)に寄り酒を飲み始める2人。そこに女たらし(?)のハーランがやってきてテルマをナンパ。途中までは楽しく飲んでいたテルマだったが、出発しようとした際ハーランにレイプされかかる。護身用の拳銃で阻止するルイーズ。ことが収まったかと思えたが、ハーランの捨て台詞にルイーズは反応して発砲、ハーランを射殺してしまう。自首を薦めるテルマ、拒むルイーズ、ということで行き先を変更してメキシコ国境へ逃れる旅へ…

 ロードムービーであり、当時はそんな言葉(少なくとも日本には)なかったシスターフッド映画なんですな。新しい!というか、リドリー・スコット級の監督のメジャー作品であったことが珍しい。「カウガール・ブルース」とかもっとマイナーだったら女性ものロードムービーはあったと思うけど。シスターフッドものあったかどうかは知らない。当時は大論争になったみたいですね。女性の(っていうかテルマの)解放があけすけに描かれているものね。

 熟慮タイプのルイーズに対し、直感型(ノリタイプ)のテルマはスキが多くって危なっかしい。大学生を名乗るJ.D.(若きブラッド・ピット)にコロッとだまされて一夜を過ごし、その後ルイーズが恋人のジミーに届けてもらったなけなしの6700ドルを盗まれてしまうあたりはその極み。だけどそこから2人の関係性は激変。J.D.から聞いた口上をまるパクリして田舎の食糧店で強盗は働くわ、職質した警察官を拳銃で脅し、トランクに閉じ込める際は無線を壊すわ閉じ込める前のトランクに空気穴までこしらえるわ、随分機転が効いている。

 盛り場にいる小悪党1人打ち殺されただけでFBIに連携したりなんてことあるかなぁ?とか、ハーラン殺害現場から「あの2人組が…」って連想働くかなぁ?とか、その辺の展開に若干無理やり感があるけれど、それ以外は破綻ない展開。ちょっとカーチェイス(振り切るところ)は緩いか。「もうちょっとちゃんと封鎖しろよ(笑)」みたいな。

 ともあれ、電話も探知され、パトカーに包囲され、ヘリまで出てきて完全に逃げ場なし。「どうなるよ?」というところで文句のない2人の選択。納得。逃避行なのに「最高のバカンスよ」と言い続けるテルマたちにとってこれ以外の選択肢はなかったのだろう。

 テキサスでレイプ(かそれに準じる被害)を受けたと思われるルイーズの過去が、会話とそのリアクションのみで描かれ、その拒絶感から咄嗟のハーラン殺害・自首しなかったことへの背景がほのめかされている。とても巧みだった。

 マイケル・マドセン、若い・細い(笑)。ハーヴェイ・カイテルも若い。いい人なの珍しい。そしてブラッド・ピット。細い。けど上半身の筋肉スゴイ。オーディションでジーナ・デイビスが選んだんだとか。恩人ですね。

 こっちはクレジットされていないけど、クリスチャン・スレーター主演の「トゥルー・ロマンス」はタランティーノ脚本の作品。こちらも観てみようかな。

8.0/10

eiga.com

unpfilm.com

4Kリマスターで公開されるようですね。

にほんブログ村 映画ブログ 映画ネタバレへ
にほんブログ村