なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。

【映画】「哀れなるものたち」鑑賞

 連休最終日は、auマンデイ利用して「哀れなるものたち」観に行きました!
 いつものTOHOシネマズ梅田は、気がついたらチケット完売になっていた。ので10km弱はなれたTOHOシネマズ伊丹へ初見参!イオンモール内なのに、イオンシネマズではなくTOHOシネマズなんだね。不思議。

 予告とかで観て、ムンク「叫び」とか、エッシャーの絵画とかを彷彿とさせるシーンが気になって、ストーリーそのものはよく知らないまま観に行きました。

 「フランケンシュタイン的なもの」という捉え方は当たらずとも遠からず?遠からずとも当たらず?なんだろうこの不思議な世界観は。マッドしか出てこん。例によってネタバレ含みます。

 久しぶりのウィレム・デフォー演じる”ゴッド”ゴッドウィンは、橋から飛び降り自殺した妊婦がまだ体温があるくらいの状態で引き上げられたことを好機ととらえ、胎児の脳を母親の脳に移植するという移植手術を行う。その手術によって生まれたのがベラ。体は大人、脳みそは胎児レベルから成長中。

 脳みそが幼児レベルながら、そんなベラに惹かれ婚約するゴディアムの弟子マックス。こいつもヤバい。

 婚約し、婚姻契約書の作成のために現れ、契約の対象であるベラに興味を持つダンカン。ベラを誘惑して駆け落ち。何歳児相当だったのか不明だが、性に目覚めたベラとセックスしまくり。リスボンで肉欲にふけり、ダンカンとの関係が微妙になってくるとアレクサンドリアへの船旅へ。その頃にはベラの知性が開花。客船に同乗していた乗客に連れられ、スラムに横たわる貧民を見せられて動揺するベラはダンカンがギャンブルで大勝ちした金を寄付として船員に渡してしまう。

 船賃が足りなくなってパリで下ろされた2人。ベラは娼館で売春。ダンカンと別れ、娼婦として働くようになる…

 う~む、前バリくらいしているのかもしれんが、R-18指定全開の演出。男性も暗かったりしているけどモザイクとかぼかしとかしてなくて、大丈夫なんすね。ブラブラ感は漂ってましたよ。

 父”ゴッド”の危篤を知り帰省、出生(自分の帝王切開跡)の真相を知り、”ゴッド”とマックスを軽蔑するも受け入れるベラ。駆け落ち前の婚約を履行・挙式中に元の夫が名乗りを上げ…と話も複雑化。

 なんだろうな、スチームパンクではなく電力は使っているのでパラレルワールドの19世紀といったところだろうか。頭がアヒルの犬、頭が豚の鶏などキッチュな世界観が冒頭から全開(あの「マーズアタック!」以来だよ)。”ゴッド”の顔は縫い跡、切り傷だらけなのだが、父親だった教授による人体実験の影響でなんとか腺を切除されたから胃液が自作できないとか性機能がないとか、マッドだらけで色々すごい。そんな科学者でも最期は腫瘍なのだね。

 最初は体すら制御できないベラがだんだん語彙を増し、哲学的なことを話し始めるところまでは良いが、そこから医師を目指せるほどの頭脳となるのは飛躍が過ぎる様な気はする。そんな伏線はなかったと思うので、胎児の脳が超優良スペックだったということだろうか。

 ベラの前の夫もサイコ野郎で従業員を拳銃やドーベルマンをけしかけて脅すクズ野郎だったが、最後は脳をいじられてヤギのようにふるまっていた(「ハンニバル」で脳みその一部食われた捜査官を思い出した)。ベラ-マックス夫妻と家政婦などにとっては快適な屋敷とその内庭だが、おぞましい世界だ…。元夫だって失踪状態なので捜索されないのかな。

 原作があるようだがとにかくすごい作品だった。キャスト達の怪演に脱帽。ベラの衣装が毎シーン毎シーン際立っていた。街(シーン)ごとに鮮やかに変わる色彩感覚にも関心。

 余談だが、「三こすり半」的概念は洋の東西を問わないものなのだな、とも思った。9.0/10。

TOHOシネマズ伊丹にて。こんな作品、よくTOHOシネマズクラスのメジャー映画館で上映できたもんだな、と感心。

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