なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。

【映画】「フリー・ガイ」鑑賞

 全く観る予定のなかった映画だったのだが、参照しているブログ等で高評価だったので急遽観てみることにした。そろそろ終わりそうな感じだし。

 映画はオンラインゲームのモブキャラ「ガイ」が理想の女性に出会うことで自我に目覚め、運営側からは想定外の動きをしていき、プレイヤーの間にも反響が出てきます。
 スナミ社の「フリー・シティ」に自分が開発したゲームが盗用されていると疑うミリーは「ロストフ・ガール」に扮してゲームの中で証拠探しに日々取り組んでいる。その「ロストフ・ガール」がガイの「理想の女性」であったことからガイの自発的な行動が始まっているが、それがミリーたちの組んだAIエンジン。他のモブにも影響を与え、いつものコーヒーしか作っていなかったバリスタカプチーノをつくったり、セクシーキャラがセクハラの告発本を出版したり…

 スナミ社の経営者アトワンカは「フリー・シティ2」の発売に頭がいっぱい。その宣伝になると「ブルー・シャツ・ガイ」を容認していたのですが、「2」の予約が減少したり、ミリーと組んで盗用の証拠を探していることを察知するとサーバーを再起動したり、更にはサーバーを物理的に破壊し始めます(!)
 ベンチャーとかユニコーンとか、比較的新しい企業では、こういう自己中でエゴむき出しの経営者もいるかもしれないですね。出資者がいるかぎり、ここまで自由には振舞えないと思いますけど(笑)

 ミリーはアトワンカと交渉します。自分たちが作って、生き残っている部分のサーバーを引き取ること、それ以外の部分の所有権の主張等はしないことを約束。元々のコンセプトだった、仮想世界のキャラクターのやっていることを眺めるだけのゲームを順調に運営するところで話は終焉に。
 モブキャラたちにも理想の世界。なんですけど、このゲームだっていずれ人気がなくなって、サーバーを維持する費用が賄えなくなる時が来たら閉鎖せざるを得ないわけで。”史上初の人工生命体の誕生”なんて言ってられなくなるかも、などと思いました。

 虐げられるモブに焦点を当てていますけど、市井の一般市民だって同じようなもの。カリスマ経営者や一部のスター社員のみで社会が回っているわけではなく、モブみたいな従業員たちで社会が成り立っています。そう思うとただのゲームの話ではない。そこが教訓めいているというか普通の人々を鼓舞している内容なんですかね。

 主人公のガイが、ミリーから自分たちが住んでいる世界はゲームの中であり、現実の世界ではない、この世界はあと48時間で終わると告げられて悩み、親友バディに相談します。バディの「(ガイの言っていることはよくわからないが)親友の悩みを解消しようとしている今がリアルだ。これがリアルじゃなくて何がリアルだ?」という主旨のセリフ、けっこう響きました。

 あとはガイが制服から私服に変わっても同じカラーリングであり続け、「ヘンリーネックだぜ、最高だろ」とか言ってるとかスポーツシャツに変わっているのとか可笑しかった。ガイを排除するためにキャラ設定が未完の”デュード”をアップデートするって、ジオングかよ!決め台詞が1個しかなかったりト書きがセリフになったりするの爆笑。ガイとミリーがバイクでプレーヤーの隠れ家から脱出するのはトム様&アンジェリーナの「ナイト・アンド・デイ」(未鑑賞)あたりのパロディかな、とか。注意深く見たら小ネタが満載なのかもしれないです。

 最後は友達以上恋人未満だったミリーとキーズに遂に進展があるのですが、AIエンジンの説明とか色々あっただろうに、気づけよミリー!最低でも4年は生殺しw

 この手のゲームまったくやらない私でも楽しめました。7.5/10

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