今日(26日)は映画「バビロン」を観てきました。
アカデミー賞ノミネートしてるし、なんだか面白そう。ブラピも出てるし(ウソ。いやちょっと本気か?)。ちょっとネタバレもあります。例によって。
アカデミー賞ノミネート作にもかかわらず、13時の回1回、箱も100名弱のところでした。あれ?
舞台は1920年代後半から1930年前半のハリウッド。サイレント全盛期から新技術トーキーへの移行期。サイレント時代のMGMのスター、ジャック・コンラッド、駆け出しの女優、ネリー・ラロイ、パーティーのスタッフから映画業界に足を踏み入れるマヌエル(マニー)を中心に話が進んでいく。
サイレントで人気絶頂だったジャックの凋落、新進のセクシーな女優として売れっ子になったネリーもトーキーの台頭で凋落が始まる…。それまでは気にしなくてよかった本人の声色が人気に影響してくるって恐ろしいけど、これは普遍的なことか。氷売り・水売り、活字を拾った活版職人、DTPで不要になった製版職人、電話交換手…。新技術でなくなる仕事いっぱいあるね。「AIでなくなる仕事」なんて記事も一頃よく出てたっけ。
映画の世界はちょっとしたことで人気が出たりなくなったりするから、その栄枯盛衰ぶりが際立ち、冒頭のパーティがド派手なだけに終盤の淋しさが募る。冒頭のパーティヤバすぎるだろ。ドラッグ満載だわ聖水プレー出てくるわ全裸の男女がやたら出てくるわパッとしか出ないから?ボカシとかせんで良かったんかねぇ?(乱交っぽいというか性交してるらしいところはボカシあり)
サイレント時代の人気者、ジャックがトーキーで人気がなくなり、自分のセリフで観客が笑う姿を映画館で目撃、ゴシップライターには「あんたの時代は終わった」と断言され、クソ映画の出演オファーされ…といった凋落の姿がとても哀しくて、チャップリンの「ライムライト」もこんな感じだったなぁ、などと30年も前に観た映画のことを連想したりもしました。
サイレント時代の撮影(エキストラによる合戦シーン)が危なっかしくて、「そりゃ死人やらけが人やら出るわなぁ」と思ってしまった。
トーキー普及したてでネリー達が撮影に苦労するところ、興味深く観た。音量の設定に苦労したり、カメラブースが暑くて死んでしまった人とか本当にいたんだろうな、と思えた。
トーキーのブームに乗って、ジャズ演奏の映画でブレイクしたシドニー・パーマーは他の演者に比べて肌の色が明るく、調整が取れないと黒塗りのメイクを強要されたりして、これも実話に基づいているとか。
はからずも「アムステルダム」に続いてロビー・マーゴットを見ることになりました。多分もう忘れないですね。目力ありますね。各パーツがゴージャスですね。小芝風花さんを洋モノにした感じですね(?)
裏社会のボス役、トビー・マグワイアだったとは!エンドロールまで気づかなかった…(誰かに似てるな、とは思ったのですが)。トビー・マグワイアを見たの最初の「スパイダーマン」シリーズ以来だから仕方がないか(?)
あまり劇場音楽への感度がいい方とは言えないのですが、これは素晴らしかったですね。サントラが欲しくなりました。って、作曲賞がノミネートされてるのね。納得。
ジャックを中心としたサイレントの経済圏の滅びをバビロンになぞらえた、ということなのかな。新約聖書・旧約聖書ともに詳しくないけれど。人生折り返したからこういう下り坂の話に共感しまた刺さるのかなぁ?TOHOシネマズ梅田にて。 8.5/10。