Notテレビっ子だったことと、高校生になるくらいまで家にビデオデッキがなかったことで、同年代が観てたテレビ番組とかほとんど観てないんですよね。
いわんや映画をや、てな感じで、自分でお金払って映画館に行く前の作品、ざっくり'89年より前は観られていない名作が多いんですな。
小生のアマプラ入らない最大の理由である、「いつでも観られるものはいつになっても観ない」に基づき、かなりの名作たちを観ることなく30年くらい経過しました。
で、「2001年宇宙の旅」です。有名なスタンリー・キューブリック監督作品ですね。あのテーマ曲、モノリスが出てくる、IBMにちなんだ人工知能HALが出てくる、そのHALが暴走する、これくらいの知識しかありませんでした(笑)
最寄りの図書館のDVDコーナー何気なくみたら、あったので借りてみました。2週間の期限はあっちゅう間に過ぎ、延長して返却日ギリギリの日曜日の朝鑑賞しました。タダとはいえ、わざわざ借りてもこんな体たらくですよ…
まあそれはいいや。作品です。
ある朝類人猿が目を覚ますと眼前にモノリス。「ジャーン」と音楽。この方式(フォーマット?)、遺作の「アイズ・ワイド・シャット」でも多用されてましたね。
類人猿のシークエンスは今観るとちょっとツライものがありますが仕方ないですね。カップヌードルのCMなど、背景+手前でオマージュされてるのを感じます。
そんで月面基地に到着した博士。随分スタイリッシュな基地だなぁ(笑)。ミーティングしてる椅子なんか座面が低すぎて実用性低そう。会議室の椅子もなにチェアっていうんでしたかね、宇宙空間だぞ(笑)
またも?月面で発見されたモノリス。触るとデカい音。
そして18カ月後。木星に向かう調査船。5人のクルー+HAL。3名の学者は人工冬眠中。HALが通信アンテナの不調・交換を進言しクルーが交換したものの部品に不具合はなく訝しがる2人のクルー。双生のHAL9000も宇宙船のHALの誤判断の可能性を指摘したため、作業用ポッドの中に入って音声を切り、最悪HALをOFFにする選択について話す二人。カメラでその二人の唇の動きから内容を読み取るHAL。これは怖い。
現在成長著しいAIでもまだこれは無理かな…。読唇術の職人がトレーニングしたら行けるようになるのかな…。
察したHALが暴走。再交換作業をしに船外活動中のクルー・デイブに作業用ポッドをぶつけて死亡させ、人工冬眠中の3人も生命維持に必要な回路切られて死亡。もう一人のボーマンは作業用ポッドで出て、デイブの遺体を回収。この辺は’00年代のSF映画だと「行って返ってくる分の推進剤がない!」とか言って諦めるので本作よりリアリティが増していったと考えるべきですかねぇ。船外活動も、ハッチから壁沿いにハーネス付けて行ったらいいのになぜわざわざポッドで?それも船からだいぶ離れて、ハーネスもなしてポッドと作業地点を行き来って危険すぎるがな。それぐらい船外活動はイージーに考えられていたってことかな。
行って戻ってきたボーマン、船外活動用のハッチを閉ざされ、ポッドの非常脱出用の爆薬を利用してハッチを破壊・侵入に成功するけど、実際にこんなことしたらポッドが前方のふっとび、ヘルメットのないボーマンは窒息?冷凍?で即死だろうな。なぜノーヘルで出撃したのかよく分からない。
船内に戻れたボーマンは助名を乞うHALを無視して人格・記憶の部分をドンドンOFFしていきHALは停止。宇宙空間でインフラをAIに預けるって怖いなぁ。HAL部分を切っても、空調システムとか本当に大丈夫かと不安に苛まれそう。
それにしても船外活動用ポッド、「機動戦士ガンダム」のボールにそっくり。いや逆か。ポッドの方は動力(推進力)が不明でしたが。
HALを切ったボーマンは木星に向かい、モノリスに遭遇。画像(パターン)の奔流の後、急に室内の映像に。この時の内装とか調度品とかも「アイズ・ワイド・シャット」に通じる感じ。三つ子の魂百までって感じの美意識なんですかね。仮面をつけて性行為にふける男女がいてもおかしくないですよ(笑)
この室内の世界で、老いたボーマンがまた現れたモノリスに向けて手を差し出すところで暗転、有名な(そういえば見たことがあった)ビッグ・ベイビーが地球と並んで映されて終幕。
CGのない時代にこれはすごい!けど説明しなすぎじゃない?けっこうハードルが高いっていうか、観る人を選ぶ作品ですね…
アーサー・C・クラークの原作では精神的な存在になったボーマンの章がこのあと続くらしいけど、なんでここで切った?そしてクラークさん、『地球幼年期の終わり』も最後同じような感じじゃないですか?
続編の『2010年』は図書館にはありませんでした(笑)。原作をなぞらえた作品になってるんですかね。
7.5/10