この画家の名を知ったのは10年位前、久世光彦さんの『怖い絵』を読んで。友人にあげたのか、売ったのか覚えていないが扱われていたのは「女の顔」だったと思う。
その本で画家の名前の認知して間もなく、日経で取り上げられていて、土田麦僊による展示拒否事件、「穢い絵」論争があったという。
そのタイミングの良さと特徴的な名前で印象付けられた。
今回、その甲斐荘楠音の展示があるという。正直迷った。好きな絵というわけではないしな、と。でも一種独特なその絵を観ておくのも一興か、とオンラインでポチった。一般1,800円、前売り/オンラインチケット1,600円。
6年ぶりくらいの京都近代美術館。9時過ぎに家を出て、10時過ぎ京都着。祇園・清水寺方面は長蛇の列です。そっか、春休みシーズンか。「観光公害」とか言ってた京都が戻ってきてる…。小生が乗った平安神宮・美術館・岡崎公園からの銀閣寺に行く5系統も満車、途中で乗車しきれない感じでした。
11時過ぎ入館。混んでませんでした(笑)
う~ん妖しい…。妖艶ですなぁ。初期の作品は日本画らしい平板な感じだが、途中の裸婦画などは油彩かと思うほどのタッチと立体感(すべて絹に彩色)。屏風絵の「歌妓」そして「春」が印象に残りました。「歌妓」は遠目からみたら実物が立ってるみたいだった。「幻覚(舞う女)」、2つ目の「横櫛」は妖しさMAXでしたな。
資料を見ると、2カ月の展示期間で一部入れ替えがあった模様。「青い衣」は入れ替えだったということだが、これぐらいの点数なら入れ替えはしないでほしかった。「穢い絵」論争の「女と風船」もみたかったな。
「全貌」ということで展示の終盤はかかわった時代劇「旗本退屈男」シリーズの時代考証、衣装考証で主だった衣装が展示されていた。
アフターコロナ、1,800円の展示と思うと「こんなものかな」という気持ちと、「もうひと越え」という気持ちがないまぜでした。
常設展・企画展も観ることができて、4Fに行きました。北欧のテキスタイル、書画を中心とした現代美術…。苦手というかあまりピンとこないジャンルです、個人的には…。シュールレアリスムまでですね…。