第4波とか言われている状況下ではありますが、今日は「ノマドランド」観に行ってきました。映画館は換気ちゃんとしてるし、対面で話すことないし、基本的には映画観ながら飲食しないので。
アメリカの石膏を生産していた企業が工場を閉鎖、企業城下町だった町そのものが閉鎖されたことをきっかけにフランシス・マクドーマンド演じるファーンは車で寝泊まりするノマドとなる(夫はすでに他界)。
アマゾンのピックアップ係、国立公園の管理スタッフ、ハンバーガーチェーンのスタッフなど短期の仕事をしながら各地を転々とする。
同じ境遇の人たちを支援する人物の会合に参加し様々な人と交流していく。
アリゾナ?の広大な風景が圧巻。
全裸で川で泳いだり、急にお腹を下すシーンを演じたりするフランシス・マクドーマンド、凄いですね。自然体で、あの映像美がなければ本当にノマドをやっている人のドキュメンタリーを観るような感覚でした。
代用教員時代の生徒から「先生はホームレスになったの?」と聞かれて「いいえ。ハウスレスよ」という返しのシーンが印象に残った。
他人の善意の提案にNOという時の、かぶせ方が「ああ、アメリカ人だなぁ」って思う。強い意思表示。
キャンピングカーではないのでトイレはバケツ、終わった後にサンルーフ開ける、すぐ傍にコンロとかリアリティある。
自分が(おそらく)人生折り返しているから新たな命の誕生より死を迎える機会の方が多くなり、色々感じさせるものがあった。またいつか観たい。
同じ回に高校生カップルがいたけど面白くなかったんじゃないかなぁ…
8.0/10
【追記】
・「街を閉鎖して郵便番号まで抹消するって、アメリカの行政は徹底してるな~」って思ったけど、日本で言ったら軍艦島みたいなもんだろうか。
あそこも離島だったからできたことで、陸続きの夕張ではできまい。
韓国・ポスコのある浦項は元々あった7つの島を埋め立てて造った工場+企業城下町。ポスコが浦項工場閉鎖するってなったら同じように町が閉鎖されるだろうか。
・『おらおらでひとりいぐも』は老齢の女性を描いた小説で青春小説の反対の概念・玄冬小説と称するそうな。さしずめ「ノマドランド」は玄冬映画・玄冬ムービーかな。