なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。

【雑記】世界は香り(あるいは匂い)に包まれている

 生来、あまり鼻は良くないんです。

「春の匂い」とか「雨の匂い」とか言われてもピンとこないというか。「あああの匂いね」とはならず、なんとなーく「あの匂いのことだろうか」ってうすぼんやりした”塊”が思い浮かぶ程度。
 洗剤のCMで使い古された表現の「生乾き臭」ってやつもピンときませんで、「そんなのある?」って感じです。正直。

 耳もそんなに良くない。目はいいです。アラフィフですがまだ両目1.2あります。逆イヌ?ホモサピエンスらしいホモサピエンスでしょうかね(笑)

 そんな小生、気が付いたら匂いがしなくなっていました。味覚には、自覚できるほどの異変がなかったのでなかなか気が付きませんでした。なんとなく「今年は金木犀の香りがしないな~」とか「まだ液量たっぷりあるのにトイレの芳香剤の匂いしなくなったな」とか、振り返れば材料はあったのですが。

 後輩とお昼に干物の店に行き「(区画に入っただけで)かなりの匂いですね」「??そう?」というやりとりがあり、伊丹空港で京都のお稲荷さんの店で昼食をとって自覚するに至りました。お稲荷さんの味変で置いてあった山椒をかけても山椒の香りがしない…これはおかしい…。出張先で開けたちっこいunoのワックスのあの強い香りもしない…これはおかしい…。消毒用エタノールに鼻を近づけて嗅いでも刺激しかない。嗅覚がない。

 他の症状の可能性もあるので耳鼻科に行き、鼻からスコープを入れてもらいましたがポリープはなく、副鼻腔炎蓄膿症)もないということで、おそらく新型コロナ感染・副作用でしょうな、ということになりました。
 嗅覚チェックということで試料を静脈注射し、「匂い始めるまでの時間、何の匂いか、そして匂いがしなくなった時間を教えてください」と言われたのですがなんの匂いもしませんでした…(涙)
 でもその次に温めた蒸気で鼻洗浄を受けてたら甘い匂いがしてきて、「さっきの匂いって甘い匂いですか?」って聞いたら全然違う匂いで、「あれが分からないとなると、回復は厳しかも」と言われながら4週間分の点鼻薬と飲み薬を処方されました。

 でも、その「回復は難しいかも」と死刑宣告されたその日から嗅覚が戻ってきています。幸いなことに。

 戻ってくると、「ああ、このおじさんが自席の脇を通るとこのオーデコロンの香りがしてたな」とか、「ああ、洗剤からこんな香りしてたな」「当たり前だけど炒めれば香りが立ち上ってくるな」「当たり前だけどGSの脇通ったらガソリンの匂いするよな」と色々な日常を意識させられました。そして普段、いかに意識していないかも。

 小説『香水(パフューム)』を読んだ後しばらくは香り/匂いをとても意識していましたがそのうち意識しなくなりました。
 失ったものを取り戻している今は、とても香り/匂いに自覚的です。が、そのうちまた無自覚になるのだろうなぁ。